豊胸手術後にX線検査(レントゲン、CT、マンモグラフィ)は可能?

豊胸術

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「豊胸手術を受けても、レントゲンやCTの検査は受けられますか?」よくそんな質問をいただきますが、結論は「受けられる」です。マンモグラフィも不可能ではありません。ですから、豊胸したことを理由に検査を躊躇することは、どうかやめていただきたいのです。どんなにバストの理想が叶っても、健康でなければ意味がありません。多くの方がこういう心配をされるのは、検査を担当する医師や技士さんに「豊胸していることがバレてしまうのでは?」ということかと思います。その点もどうか気になさらないでいただきたいのです。なぜそう言い切れるのか?その理由とともに、豊胸手術がレントゲンなどのX線検査に及ぼす影響について詳しく解説します。

レントゲン、CTの仕組み

レントゲン検査では、X線を体に照射して体内の臓器や骨の状態を確認します。筋肉、脂肪、皮膚、内臓など、X線を透過させやすい組織ほど黒く写ります。一方、透過させにくい骨などの固い組織は白く映し出されます。また、それと同時に、本来体内に存在しない異物や腫瘍も白く描出されます。
ちなみに、レントゲン同様、X線を用いた画像診断にCT検査がありますが、両者の違いは、X線を当てる方向です。レントゲンは1方向からのみX線を当てますが、CTは身体の周囲全体からX線を当てて、身体を輪切りにしたような画像を描出します。

レントゲンやCTへの写り方(豊胸術別の比較)

レントゲンやCTに豊胸の痕跡が写りやすいかどうか(つまりバレやすいかどうか)は、豊胸した際に体内に入れた物質がX線を通しやすいかどうかによって左右されます。

写りやすさ(レントゲン)写りやすさ(CT)
シリコン豊胸★★★★★★
ヒアルロン酸豊胸★(しこりの場合は★★★)
脂肪注入豊胸★(しこりの場合は★★★)★(しこりの場合は★★★)

スクロールできます

シリコンバッグ

豊胸用シリコンバッグ

硬さがないのでハッキリとは写りにくいですが、ぼんやりと白い影のようなものが写ります。たとえシリコンの内容物が水に近い成分でX線を透過しやすかったとしても、シリコンの外膜は描出されやすいです。CTの場合は、より鮮明にバッグの形まで描出します。

ヒアルロン酸

豊胸用ヒアルロン酸注射

ヒアルロン酸はX線の透過性が非常に高いので、レントゲン検査で写る可能性はほとんどないです。ただし、ヒアルロン酸がしこりになった場合は写ります。異物であるヒアルロン酸がバストの中に注入されると、その表面には薄い被膜が形成されるのですが、ごく稀に、この被膜が厚くなって硬く石灰化することがあります。これが、ヒアルロン酸豊胸後に生じるしこりの正体です。厚い被膜は硬さがあってX線を透過しないので、白く描出されることになります。

脂肪注入

脂肪の入った脂肪豊胸の注入器

脂肪はもともと体内に存在するので、注入した脂肪が定着してしまえば、レントゲンにしろCTにしろ、脂肪豊胸の痕跡を描出することは難しいと考えられます。ただしヒアルロン酸豊胸と同様に、注入した脂肪がしこり化した場合はその限りではありません。脂肪の中に不純物が多く含まれていたり、塊で注入されるなど、脂肪が生き残りにくい状態で体内に存在するときはしこり化しやすくなります。

シリコンバッグ豊胸、ヒアルロン酸豊胸、脂肪注入豊胸に使用する医療道具

豊胸後にマンモグラフィは受けられる?

レントゲン検査やCT検査同様、X線を用いて、かつ乳房の異常を確認する画像検査にマンモグラフィー検査があります。小さな乳がんや、柔らかくしこりを形成しない乳がんの発見も可能なことから、乳がん健診では最も一般的です。この検査についても、豊胸手術を受けた後でも受けることが可能です。ただし、以下の点には注意してください。

いつでもどこでも受けられるわけではない

特にシリコンバッグ豊胸の場合は、検査を受けられる医療機関が限られます。マンモグラフィ検査では乳房をかなり強く挟んで圧迫する必要があるので、バッグが破損するリスクがあるからです[1]。また、ヒアルロン酸豊胸についても同様です。しこりになっている場合、潰してしまうリスクがあります。最も敷居が低いのは脂肪注入です。ただしこの場合も、手術から6ヵ月以上経過してからが望ましいとされます。

マンモグラフィーで豊胸用シリコンバッグが破損する可能性を示唆

マンモグラフィーで豊胸用シリコンバッグが破損する可能性を示唆

脂肪豊胸の場合、判別が難しくなることがある

乳がんが発生するのは、通常は乳腺の中です。ところが、皮膚の直下にたくさんの脂肪が定着していると、その下にある病変が見えにくくなる可能性があります。また、壊死した脂肪の石灰化は異常な石灰化を模倣している可能性があります。このような場合は、マンモグラフィだけでなく、MRIやエコー検査も併用すれば問題ありません[2]

脂肪豊胸で皮下直下に脂肪が定着したケースの危惧

脂肪豊胸で皮下直下に脂肪が定着したケースの危惧

豊胸したことは、必ず事前に医療機関に伝える

なんの前情報もないと、検査結果を誤認することがあります。豊胸手術の影響なのか、なんらかの病変なのか、事前に申告を受けていないと異常の判定に迷いが生じて、結果的に医療機関、患者様の双方の不利益につながりかねません。こうした点から、お胸の検査を受ける際には、豊胸した事実は必ず医療機関にお伝えいただきたいと考えます。

医師のカウンセリングを受ける女性

医師のカウンセリングを受ける女性

病院のレントゲン検査で豊胸はバレる?

レントゲン検査を受けることで、病院関係者に豊胸の事実はバレるのか?これについては、検査する人の経験によります。しかし、豊胸だと断定できなくても、普通ではないことはすぐにわかるので、あれこれ質問されることは考えられます。ただ、そのような心配をするよりも、医療機関ではきちんと本当の状態を申告していただくことを強くおすすめします。検査の結果というのは究極の個人情報です。そうした情報が漏洩することは、通常は考えにくいでしょう(もし仮にそのような事態が生じた場合、関係者は厳しく処罰されます)。むしろ、豊胸したことを隠す方が、健康を守るという観点ではリスクでしかありません。検査はぜひ積極的に受けていただきたいですし、医療関係者には豊胸の事実を隠さず伝えていただきたいというのが、当院の願いです。

コラムのポイント

  • X線撮影時の写りやすさという点では、シリコン豊胸が最も写りやすい
  • マンモグラフィ検査に関しては、豊胸術の種類を問わず一定の注意が必要
  • お胸の検査時には、豊胸したことを事前に医療機関に伝え欲しい

よくある質問

  1. シリコンバッグ豊胸後に検査はしてもらえますか?

    当院では無料で検査を行います。
    当院ではシリコンバッグ豊胸に限らず、豊胸手術では必ず前後の計2回、エコーを用いた検査を無料で行っています。
    術前の検査ではどの層に挿入するのがベストか、どんな大きさの豊胸シリコンが好ましいかなどの判断材料にします。術後は豊胸シリコンがきれいに入っているか、周辺組織に異常はないかといった点を重点的にチェックしています。

  2. シリコンバッグ豊胸後にMRIは受けられますか?

    問題なく検査できます。
    MRIは電磁波を利用して行う画像検査です。金属や電子機器は電磁波に反応して熱が生じることがあるので、補聴器や眼鏡、入れ歯などは検査前に取り外しますが、シリコンバッグは特に問題なく検査することができます。
    最近、製造番号や型番など豊胸シリコンの詳細情報が入ったマイクロチップが付いている種類もありますが、こちらも検査可能です。

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この記事の監修医師

ボディデザインのTHE CLINIC において、3年連続MVPに選ばれた「ボディデザインの権威」

  • BUST CLINIC 院長
  • 日本外科学会 若手研究者賞 受賞
  • CRF療法、VASER Lipo認定医

コラムでは解消しきれない疑問や
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